「なんだかあらゆることが気になって仕方ないけれど、これはHSPなの?」
「どんなことがきっかけでなるのか、対処法はあるのだろうか」と悩んでいませんか?
HSPは生まれ持った気質であるため、無理に治そうとしなくてよいものです。
この記事では、HSPの気質を持ったやまね(@yamanebass)がHSPが持つ性格の特徴と困る点、心地よく生きるための対処法を紹介します。
この記事を読むと、HSPである自分を否定しないでよい理由がわかりますよ。
ぜひ最後までお読みいただき、気質を活かして穏やかに生きるヒントを受け取ってみてください。
HSPとは生まれつき繊細な人のことをいう
HSPとは、Highly Sensitive Personの略で、簡単にいうと「生まれつき繊細で敏感な感覚を持った人」のこと。
1996年にアメリカの心理学者エイレン・N・アーロン博士によって世界に広められた概念で、5人に1人がHSPであると言われています。
なお、HSPは神経系の特徴であり、治さなければならない病気ではありません。
よって、病院で診断するのではなく、セルフチェックで把握します。
医学的でなく、心理学的な所見です!
HSPは例えば以下のような特徴を持っていると言われています。
- 光や音、においに敏感に反応する
- 共感性が高く、他者の気持ちを感じ取りやすい
- マルチタスクになると混乱してしまう
HSP気質を持った人は社会のなかでは少数派になるため、ときには生きづらさを感じてしまっているときもあるでしょう。
また、HSP気質は意外にも人間だけでなく動物も持つといわれています。
そう思うと、動物園で性格を観察しながら歩くのが楽しくなりそうですね!
HSPが持つ性格の特徴7選
ここからは、HSPが持つ性格の特徴を7つ紹介します。
ひとりがすき
五感が敏感な、HSP。
大人数でいると聴覚や視覚からの情報がたくさんあり、疲れてしまうことも。
例えばパーティがあれば、たくさんの人の声や移りゆく話題、溢れる人に視界が塞がれて情報量が多く、キャパオーバーになってしまうときもあるでしょう。
かたや、ひとりでいるときは情報量も少なく刺激をコントロールできるため、ひとりでいるのを好むようになります。
物事に深く感動する
HSPは感受性が鋭く、よいことも悪いことも深く感じとる性質を持っています。
例えば映画をみて主人公の心理描写に心を動かされたり、美術館で繊細な絵に心を奪われたり。
わたしは相田みつをさんの詩を見て感動し、その場に立ち尽くしたことがあります!
じっくり物事を感じとるため、感動の波も高くなるのが HSPの特徴のひとつです。
思慮深い
あれこれ考えが一度に浮かんでしまうのも、HSPの性質です。
例えばなにか話し合うトピックがある際、課題に対してたくさん考えが浮かぶため「なにから言おう」と迷う場面も。
よくいえば想像力が豊かですが思慮深く、スピードを求められる場面ではときに「自分の意見をあまり持たない人」と見られる場面もあるといえます。
独創的な視点を持つ
HSPは、物事を多角的にとらえようとします。
例えば、職場でなにかエラーがあったときに「どうしてこうなったのか」「回避策はどうすればよいのか」「それを実行したとして業務の負担はどうか」とあれこれ考えるでしょう。
すると、いままで考えつかなかったアプローチ方法が浮かんで、周囲を驚かせることも。
何事もゆっくりといろんな時間をかけて考えるため、アイデアマンになるのだといえます。
自己肯定感が低くなりがち
HSPは、ちょっとした刺激でも大きな刺激に感じてしまいます。
例えば職場でちょっと言い方のキツい人がいた場合、非HSPだと我慢できるレベルでも、HSPは「自分てダメなのかもしれない」と落ち込んでしまったり、ひどいときは眠れなくなってしまうこともあるでしょう。
わたしの場合、たとえみんなに対してそうでも、キツい言い方をする人がいるとメンタル弱小になります……
些細な悪い出来事にもスポットが当たる結果、自分を肯定できなくなってしまうのでしょう。
人に共感しやすい
HSPは共感能力をつかさどる神経細胞である、ミラーニューロンの反応が高いといわれています。ミラー(鏡)の言葉どおり、他人がしていることを、まるで自分もしているかのように感じるときも。
例えば誰かが怒られていると、自分も怒られているような気分になり、心が痛くなって聞いていられなくなってしまいます。
逆にうれしくてニコニコしている人がいると、自分もまるでうれしいことがあったかのように、ワクワクするような気持ちになるでしょう。
わたしは朝楽しそうにホテルビュッフェで食事している人を見ながら出社すると、自分もなんだか幸せな気持ちで出社できます!
人の気持ちを理解して自分のものにしているのも、HSPの特徴だといえます。
細かい点によく気付く
注意力や観察力がある、HSP気質を持った人。
例えば仕事を進めるにあたって「こういう問題もありそうだ」と考えたり「こういった点を見落としがちだから、注意喚起しよう」と気付いたりします。
職場でエラーが起きたとき、再発防止を考えるのに役立っています!
大枠だけでなく、細部まで考えてブラッシュアップできるのが特徴です。
HSPはDOES(ダズ)の特徴を持つとされている
ここからは、HSPの特性であるDOESを紹介します。
HSPの概念を広めたアメリカの心理学者、エイレン・N・アーロン博士は、以下のすべてに当てはまる人はHSPの気質を持つと論じました。
- 【Depth of processing】深く処理する
- 【Overstimulation】過度に刺激を受けやすい
- 【Empathy and emotional responsiveness】全体的に感情の反応が強く、特に共感力が強い
- 【Sensitivity to subtleties】ささいな刺激を察知する
これらの気質は頭文字をとって、DOES(ダズ)といわれています。
DOESについてより詳しく知りたい方は、以下の記事をお読みください。
HSPになるふたつの先天的な要因とは
5人に1人はいるといわれる、HSP。
ここからは、どのようなきっかけでHSP気質をもつのかを紹介します。
原因1.扁桃体の働きによるもの
HSPは、生まれつき脳の扁桃体(へんとうたい)の働きが強くなっています。
扁桃体は脳にあり不安や恐怖を感じたときに活動する部分であるため、この部分の活発に動く人は感覚が鋭くなり、HSP気質を持つのです。
原因2.セロトニンを運ぶ物質によるもの
HSPになる要因としては、セロトニンも関係しています。
セトロニンとは脳体の神経伝達物質のひとつで、精神を安定させる働きを持ち、以下のふたつの情報をコントロールします。
- ドーパミン(やる気や幸福感を得るための物質)
- ノルアドレナリン(脳を活性化させたり、ストレスから逃げるために身体を最適化するための物質)
扁桃体の興奮をしずめる役割があるセロトニンの働きが生まれつき弱い人がおり、結果として扁桃体が過敏な状態になってしまうのです。
科学的にわかっていることだと思うと、性格に個人差があるのは当たり前のように感じますね!
わたしが感じたHSPで困る点3つ
ここからは、HSP気質で困ることをわたしの経験も含めて3つお伝えします。
疲れやすい
HSP気質を持っていると五感が鋭いため、日常生活ですぐ疲れてしまうことが多くなるもの。
例えば平日は以下のような場面で疲れを感じます。
- 通勤時の電車にて、人の話し声がするとき
- オフィスで集中しているときに雑談で何度も話しかけられるとき
- 仕事終わりに買い物しようとしてポイントアプリが「カッ!」と眩しく光ったとき
刺激に弱いため、日常生活のささいなことでも疲れを感じるように思います。
考えすぎて消耗する
ひとつの出来事を細部まで考える、HSP。
プラスに働くときもありますが、他方でマイナスに働いてしまうときも、もちろんあります。
特に、入社したてでオフィスにいるときは、以下のように考えることが多かったなぁと思います。
- 何気なく発した言葉から、深い意味があるのではないかと考える
- 扉を強く閉める人がいたら「何かに怒っているのかな?」と原因を考え出す
- 忙しくて返事がそっけないだけなのに「もしかして嫌われているのかな?」と思う
こうして書き出すと「なんだめんどくさいな」って思われそうですね(笑)
ただ、人間関係ができてきたら相手が困っているポイントでさっと助けられるため、プラスに働いているなぁと感じます!
相手がする行動の意図をあれこれ考えすぎてしまい、消耗してしまう結果、疲れたと感じてしまうといえます。
大人数の集まりが苦手
共感力の高さがHSP気質のひとつの特徴です。
例えば一対一で話すのは割とじっくり相手のことを考えられますが、これが3人以上となると、一度に考えるべき対象が多くなります。
あらゆる人の気持ちを一度に深く考える結果、会話のテンポが遅れて空気のような存在になるときも。
結果、魅力的な会だと思ったとしても、大人数の集まりへの参加をためらってしまうときもあります。
HSPでも健やかな自分でいるための5つの対策
前提として、HSPは病気ではないため「治さなければ」と思う必要はありません。
HSP気質が原因で他の疾患になっていない限りは、薬で治すものでなく、特性を持ちながらどのように付き合っていくかが大切です。
ここからは、HSP気質と付き合っていくためにおこなうべきことを5つ紹介します。
感情を書き出す
マイナスな感情を内に溜め込んでしまうと、いつか爆発してしまいます。
感情を溜め込んでショートしてしまわないように、外に出すようにするとよいですよ。
例えば以下のような方法を試すのがおすすめです。
- noteで日々の出来事や学びを書く
- 手帳に短い日記を書く習慣をつける
- 嫌なことがあったら紙に書き出して破る
文字にすることで感情を客観的にとらえやすくなり、内側から放出できているような気分になります。
どうしても苦手な人とは距離をとる
人間誰しも、相性というものがあります。
共感能力の高い、HSP気質。
相性があまりよくないと感じる人にでも合わせられるぶん、無理をして一緒にい続けてしまうこともあるかもしれません。
ですが、無理を続けると消耗してしまうため、適度に距離をとるのがよいですよ。
合わせすぎて疲れてしまう状況を回避できて、精神のすり減りを防げます。
お気に入りの場所を見つける
HSPは繊細な感覚を持っているため疲れやすいですが、落ち着くところに身を置いたら無駄な消耗を防げるもの。
お気に入りの場所を見つけて「心地よいところリスト」を覚えておいてください。
例えばわたしは以下のようなところにいると、落ち着くと感じます。
- 緑が生い茂る公園
- 遠くを見てぼーっとできる海辺
- よい香りのバスソルトを入れた浴槽
お気に入りの場所でゆっくりすると削られた心身が癒えて、また活動するエネルギーが湧いてくるものです。
自分のキャパオーバーになってしまう場面を知る
HSP気質を持った人は少し嫌なことがあると、その出来事がスポットを浴びて大きく感じてしまうことがあります。
自分が苦手だったり、キャパオーバーになってしまう場面や環境を知っておくのがおすすめです。
例えばわたしの場合は、以下のような場面はキャパオーバーになってしまうと感じています。
- 大人数の前でのスピーチ
- いっぺんに仕事が振られる状況
- 体育会系な強メンタルを強いられるノリ
苦手な環境を知っておくと意識的に避けられて、すごく消耗してしまうような機会を減らせます。
自分の気質を受け入れる
HSPは生まれつきの気質であり、なかなか変えるのは難しいものです。
自分の性格を直そうとするのではなく、気質を受け入れて活かす方向で考えるとよいですよ。
環境やアプローチ先を変えたり、時間が経ったりすると意外にHSP気質が役にたつ場面を感じるようになり、自己肯定感が低くならずにすみます。
こんなに素敵なところがある!HSPの長所5つ
ここからは、HSP気質の長所を5つ紹介します。
芸術に深く感動できる
物事をじんわりと細部まで味わう、HSP気質を持った人。
素敵だと思うことに触れると、感動できるのもよいところです。
例えば絵画やコンサートといった芸術的なものに触れてとても満たされたような気持ちになったり、素敵な瞬間を思い出しては幸せな気持ちを何日も呼び起こせたりします。
芸術的なものに心を動かされ、じっくりと余韻にひたれるのは、長所のひとつです。
他人の困りごとにすぐに気が付ける
共感力の高い、HSP。
相手の表情や目線から気持ちを汲み取るため、困っていることにすぐに気付けます。
観察力もあるため例えば仕事で忙しそうな人にさっと必要な書類を渡したり、何か戸惑っている人がいると声をかけられるでしょう。
相手の気持ちを察知して動ける結果、頼られたり信頼されたりといったよいところがありますよ。
危機管理能力が高い
HSPは、あれこれと考えがちな性格を持っていますが、ときにはよい方向に働くときもあります。
仕事でのプロジェクトに関して「これを進めるとこういったリスクがあるな」「これは対策しなければいけないな」と思ったり宣伝広告を作る際に「ここはわかりづらいから変更したほうがよいな」と気付くスピードが早いでしょう。
ひとつの物事に対してたくさんの情報が浮かぶため、あらかじめリスクを予想できるといえます。
仕事が丁寧
意識が細部まで届きやすいHSPは、完璧主義的な考え方をするケースが多いもの。
書類ひとつ見るのにも細部まで目がいくため、細かな言い回しをお客様が理解しやすいように変えたり、レイアウトや色にこだわったりも。
あらゆる細かい点が気になるため、ささいなことでも見逃さずによりよくしていく結果、周囲から「仕事が丁寧な人だ」と思われるようになります。
クリエイティブなことが得意
小さな情報、刺激からでも考えをめぐらせる、HSP。
目に入るあらゆるものやサービスに対して「ここはよいな」「どうしてこうしているのだろう」「もっとこうしたらよくなるかもしれない」と常に考えます。
その結果過去に考えついたあらゆる発想を組み合わせて、周囲をあっと言わせるような意見を言えたり、作品を作り出せたりします。
まとめ|HSPは個性であり素敵な特徴!気質を受け止めて、活かすべき
HSP気質を持った方は5人に1人と少数派であり「自分って変なのかな」と思ってしまうときもあるでしょう。
しかし、生まれつきの脳の働きによるものであり、病気ではなく個性です。
なんだか周りと違うような気がして自己肯定感が下がってしまう場面もあるかもしれません。
自分を責めずに、HSPの特徴がよい方向に働く場面にも目を向け、自分の力を意識的に感じてみてくださいね。
もし、HSP気質がゆえにいまの仕事が向いていないとお考えの方は、以下の記事でおすすめの仕事を紹介していますので、ぜひお読みください。